Hackintosh
今回は、macOS Big SurをOpenCoreを使ってHackintoshする方法をご紹介していきます。
基本的には、自作PCを想定していますが、うまくやればノートPCなどでも可能です。
Hackintoshとは?
HackintoshとはAppleから発売されているMac以外のPCにmacOSをインストールして使えるようにするというものです。
なので自作PCやノートパソコンなどでmacOSを使えるという事です。
OpenCore
OpenCoreとはmacOS、Windows、LinuxなどをUEFI/BIOSを使って起動できるブートローダです。
主に自作PCなどにmacOSを載せるHackintoshといったものに使われます。
1つのPCでいくつかのOSを起動できる環境を構築することが可能になります。
公式のインストール解説もあります。
違法性
Hackintoshといってもバニラの方法と、そうでない方法があります。
バニラでは、OSに手を加えていないというものです。
それを踏まえて違法なのかについて話していきます。
結論としては、Appleの規約違反ではあるがバニラであれば、法的には違法ではないかなと思います。
これは、いろいろ調べただけであり自分なりに結論づけたものであり、確定の情報ではありません。
今回紹介するのはバニラの方法なので、規約違反ではありますが、違法でないと思います。
注意事項
今回ご紹介する方法は、いろいろなHackintoshをする方法がある中の一つです。
全ての環境でうまくいくものではありません。
ミスをすると、他のディスクを壊す可能性があるため必要のないディスクは外しておいたほうがいいと思います。
PC環境
OpenCoreではCPUにはかなり自由がきき、IntelだけでなくRyzenのCPUでも動作可能です。
GPUはmacOS High Sierra以降では基本的にはRadeon GPUを使用するのが普通です。
執筆時点ではRadeon RX 580が最適のようです。(Boot macOSより)
OpenCore公式:ハードウェアの解説
自分の環境
Intel CPU Core-i7 8700
ASRock Radeon RX590
ASRock Intel Z370 Extreme4
CORSAIR DDR4-2666MHz
Crucial SSD M.2 1000GB P1シリーズ Type2280
準備するもの
macOSが載っている実機
8GB以上のUSBメモリ
インストーラー用のUSBメモリです。
自分が使用したものは、Kingston USBメモリ 32GBです。
SSD
macOSを入れる用のSSDです。
HDDでも問題はないです。
自分が使用したものは、Crucial SSD M.2 1000GB P1シリーズです。
ダウンロード
OC Gen-X
OC Gen-XはOpenCoreのconfig.plistの設定、Kextのダウンロードなどを自動でやってくれるツールです。
OC Gen-X GitHubからOC.Gen-X.app.zipをダウンロードして展開してからアプリケーションフォルダーに移動
GenSMBIOS
GenSMBIOSはシリアルナンバーの生成に使用します。
GitHubからGenSMBIOSをダウンロードします。
zipファイルがダウンロードされるので、展開しておいてください。
GenSMBIOS-master.zip
Clover Configurator
Clover ConfiguratorはUBSメモリーのマウント用に使います。
Download Clover Configurator mackia100 projectsからClover Configuratorをダウンロードしてアプリケーションフォルダーに移動
macOS Big Sur
ダウンロード後インストーラーが起動しますが「⌘+Q」で終了してください。
USBインストーラーの作成(実機操作)
USBメモリのフォーマット
- ディスクユーティリティを開く
- すべてのデバイスを表示に変更
- USBメモリを選択して消去を選択
- 以下のように設定して消去を選択
- 名前:USB
- フォーマット:Mac OS拡張 (ジャーナリング)
- 方式:GUIDパーミッションマップ
- 終了したら完了を選択
USBメモリにmacOSをコピー
- ターミナルを開く
- 以下のコマンドでUSBにmacOSをコピー
- パスワード入力してEnter
- yを入力してEnter
- 終わるまで待つ(結構長い)
- Install media now available at “/Volumes/Install macOS Big Sur”と出たら完了
sudo /Applications/Install\ macOS\ Big\ Sur.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/USB
EFIディレクトリの作成
ここからはOC Gen-Xを使ってOpenCoreに必要なEFIディレクトリを作っていきます。
CPU Typeの選択
System TypeにはCPU Typeを選択します。Intel CPU Core-i7 8700はCoffee LakeなのでCoffee Lakeを選択
Kextの選択
以下のKextにチェックマークを入れる
- Lilu(必須)
- VirtualSMC(必須)
- AppleALC(オーディオ系)
- intelMausi(LAN系)(マザーボードのLANに合うものを選択)
- USBInjectAll(USB系)
Firmware Driverの選択
Firmware Driverはデフォルトのままで大丈夫です。(OpenRuntime.efi、HfsPlus.efi)
まだここでは「Geerate EFI」は押さないでください。
SMBIOSの調整
ここでは作成するHackintoshのモデルとシリアルナンバーを決めていきます。
- デスクトップにダウンロードしたGenSMBIOSディレクトリーを開いてGenSMBIOS.commandを開きます。開くとテーミナルが開かれます。
- Generate SMBIOSの3を入力
- 組みたいMacのモデル名を入力(例:iMac19,1)
- 生成された3つ文字列をOC Gen-XのSMBIOSに入力していく
- Additional BootArgs
- Generate EFI
Additional BootArgsではブートパラメータを指定できますが、とくにしません。
「-v」をつけておくとログが見れるので、Hackintosh環境が安定するまでは入れておいた方がいいと思います。
最後に下のGenerate EFIを選択するとデスクトップにEFIディレクトリが生成されます。
ACPIダウンロード
OC Gen-XではACPIの設定を自動でやってくれないので、自分で設定していきます。
必要なACPIのamlファイルは公式ガイドのACPI解説から確認可能です。自分はDesktopのCoffee Lakeを組むので、以下のものになりました。
- SSDT-PLUG
- SSDT-EC-USBX
- SSDT-AWAC
- SSDT-PMC
amlファイルはGetting Started with ACPIのGitHubからダウンロード可能です。ダウンロードしたファイルは「EFI>OC」のACPIディレクトリにダウンロードしたamlファイルを置いといておいてください。
config.plistにACPIの記述を追加
config.plistを開いてACPIに以下画像のようにamlファイルの記述を追加してください。
EFIディレクトリーのコピー
- Clover Configuratorを開く
- Mount EFIを選択して下のEFI Partitionsの中からUSBを探してMount Partitionを選択
- パスワードを求められたらパスワードを入力
- 完了したらOpen Partitionを選択してディレクトリを開く
- デスクトップにあるEFIディレクトリをOpen Partitionで開いたディレクトリにコピー
macOSインストール(自作PC操作)
BIOS/UEFIの設定
BIOS/UEFI画面を開いて以下のように設定する
この設定はマザーボードによって変えなきゃいけない場所、名称も異なるため一例です。
「Hackntosh PC名 BIOS」「Hackintosh マザーボード名 BIOS」などで調べると過去の例が上がっていたりします。
Load XMP Setting | XMP 2.0 Profile 1 |
Intel Virtualization Technology | Enabled |
Vt-d | Disabled |
IOAPIC 24-119 Entries | Enabled |
Sata Mode Selection | AHCI |
Serial Port | Disabled |
Legacy USB Support | Enabled |
PS/2 Simulator | Disabled |
XHCI Hand-off | Enabled |
Secure Boot | Disabled |
Fast Boot | Disabled |
Boot From Onboard LAN | Disabled |
インストーラーの起動
BIOSにて起動ディスクをUSBメモリーに設定します。
そして再起動するとOpenCoreが起動されます。
「Install macOS Big Sur」を選択してインストーラーを起動します。ここでログがたくさん流れますが気にしなくて大丈夫です。固まる場合も何も触らないですすめてください。この工程では10分程度でインストーラーの画面が起動します。
SSDのフォーマット
インストーラーが起動したらmacOSをインストールするSSDをフォーマットしていきます。
- ディスクユーティリティを開く
- 「表示」から「すべてのデバイスを表示」を選択
- SSDを選択して消去を選択
- 以下のように設定して消去を選択
- 名前:OpenCore
- フォーマット:APFS
- 方式:GUIDパーミッションマップ
- 終了したらディスクユーティリティを閉じる
macOSインストール①
- macOS Big Surインストールを選択
- 続けるを選択
- 続けるを選択
- ディスクを選択してインストールを選択
- インストールが完了するまで待つと、自動的に再起動されます。
macOSインストール②
起動の確認
macOS Big Surが起動したらここまでは成功です。
USBメモリさえあればOpenCoreを起動してmacOSが起動できるところまで来ました。
次はUSBメモリなしでmacOSを起動できるようにしていきます。
SSDにEFIディレクトリをコピー
macOS Big Sur側にClover ConfiguratorをインストールしてSSDとUSBメモリーをMountしてどちらのディレクトリーも開きます。
そしてUSBメモリー側のEFIディレクトリーをSSDにコピーします。
動作確認
USBメモリーを抜いて起動ディスクをSSDに変更して起動
OpenCoreが自動起動され、OpenCoreを選択してmacOSが開ければ成功です!!
きょうの一言
この方法で上手く行く人は少ないと思いますがHackintoshはそんなものです。大きな要因はconfig.plistなので、そこを見直してみましょう。
【OpenCore Sanity Checker】OpenCoreのconfig.plistチェックツール
コメント
基本自分で解決できないならやっちゃだめよ
config.plistにACPIの記述を追加のところでconfig.plistは何で開いているのでしょうか?テキストエディターで開いたら
<!DOCTYPE plist PUBLIC ~省略
と出ます。
記事内の画像ではXcodeで開いて、編集していますが、
テキストエディタでも可能です。
https://imgur.com/a/EriJSnp
Airdropは使用可能ですか?
macOSのAirDropを有効化できるようなWiFiアダプターを使用することで、AirDropは利用可能です。
自分はFenvi T919を使用しています。
https://zunda-hack.com/community/postid/360/
おー!!
これはすごく夢がある!!!
教えてください
ありがとうございます!!!
apfs_module_start…2020/12/02のところから進みません。